研究室配属について

 高分子材料学研究室では、有機化学を基盤として、高分子合成、高分子反応(化学変換、分解など)、複合材料(無機物とのハイブリッド)の研究により、新規材料の創製・物性評価・機能化を行っています(詳しくは「Recerch」を参照ください)。さらに、これらの研究を通して、社会で通用する人材育成をめざし教育を行っています。

 

 何においても、毎日の積み重ねが重要です。研究においては、新しいもの、新しい発見をするために、毎日コツコツと実験を行い、(ネガティブな結果からも)データを引き出して、次の実験につなげていく。この繰り返しの中でのみ、新規材料の創製や新しい発見ができます。今日出来ることを「明日でいいか。」と思う人は、翌日、「昨日の継続」を行うことになり、前に進まないどころか、遅れるばかりです。毎日コツコツと今日やれることは、今日のうちに行いましょう

 「新しいもの(材料や手法)を作る」研究では、必ずしも実験した時間に比例して研究成果がでるとは限りません。

 しかしながら、自分で試行錯誤して成し遂げた成果は、誰から与えられるものでもなく、誰かの評価に依存するものでもなく、自分にとっての宝物となります。

 研究に関しては、何かを成し遂げる一つの形が学術論文です。学術論文となれば、あなたの名前を100年後であっても検索すれば、論文がヒットします。そして、あなたが何を行っていたのか?がわかります。すなわち、あなたの実験成果が学術論文になるということは、あなたの名が歴史に刻まれるといって過言ではありません。
 高分子材料の研究を通して、何かを成し遂げたいと思う学生は、是非当研究室の配属を希望してください!

 

 研究室の選択は、その後の人生にとても大きな影響を及ぼします。しっかりと研究室は選んでほしいと思っています。
 そのためには、様々な情報を集めてください。このHPはもちろん、研究室見学や、教官室へ足を運んでください。

  しっかりと話をしたいときは、予定を確認することをお勧めしますが、当研究室の本九町の元へは、アポイントなしに飛び込みでも構いません。

 

 最後に研究室選びはその後の人生にも直結しますので、自分の意思で選び進むべきと考えています。より多くの情報、自らの考え、思い、指導教官の思想、相性等から自分の意志で研究室を選択して下さい。

研究生活

帰宅時間が遅くならないように、計画的に実験してください。ただし、反応などは、自然現象を利用しているので人間の思った通りにはならないこともあります。

ゼミなど

  • ゼミ (基礎知識の習得)
  • 文献紹介 (最近の学術雑誌(英文)を読み、理解してまとめた内容を発表する。)
  • 研究報告会 (研究データのディスカッションを行う)

 ルールなど

  • 決まりごとはありますが、罰などは特にありません。

 自己管理は、自分で行ってください。


教育

4年生で習得すべきこと

  • 目的を達成するための合成手法実験操作を確実に覚えましょう。(手段の習得)
  • なぜそうするのか?なぜその手段であるのか?理論や理屈を突き詰めましょう。(原理原則を理解することで手段の幅が広がり、目的を達成するためのより良い手段を導き出すことにつながります。)
  • 合成した化合物を様々な分析手法により解析して、どのような化合物ができたのか?を判断できる能力を身につけましょう。
  • 実験データをまとめる能力を身につけましょう。

 

教育(大学院)

博士前期課程で習得すべきこと

 

修士号取得者に社会が求めるのは、問題解決能力です。与えられた命題に対して、達成する能力を持っているか?ということと考えています。前例(卒業研究)をトレースするような誰でもできることを社会は、修士号取得者に望んでいません。

 このために下記の事項を身に着けてほしいと思っています。

  • 研究目的を達成するために「研究計画」を立てられるようになりましょう。大きな目標とそれに至るマイルストーンを立て(課題設定)、想定外の結果に対しても適切な処置と修正(課題解決)ができるようになりましょう。原因と結果(因果関係)を明らかとして目的を達成できるようになりましょう。
  • プレゼンテーション能力を身につけましょう。データの取りまとめ、発表スライドや要旨の作成などは当然ですが、日頃から論理的な考察をしましょう。そのために知識、経験を整理しなければなりません。
  • 論理的に説明できるようになりましょう。プレゼンテーション能力と重複しますが、得られた結果を正確に相手に伝えるのは当然のことです。そのためには、論理的な思考が必要です。「目的の設定」「論拠となる結果・事実」「結論(主張)」を筋道を立てて矛盾なく説明できるようになりましょう。
  • 実験を行なっている際に起こる現象の小さな変化をくみ取れるようになりましょう。実験には、全く予想していなかった現象や結果が得られることがあります。そこには、ちょっとした違い(変化)があります。これは、「大発見の可能性」を秘めていますが、これを「拾い上げる」か「見過ごす」かは、センスにかかっています。変化を見逃さず、変化を論理的に解釈し、実証することを常に心がけましょう。